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どうしても続きが気になり、他のことはそっちのけで「半分の月がのぼる空」全8巻を読んでしまった。色々と書きたいことはたくさんあるけど、ネタバレのオンパレードになってしまうので極力控えることにする。

この作品で重要なのは、何かを選ぶには何かを捨てなければいけないこと。夏目先生は自分の出世の道を捨ててまで残り少ない奥さんの命に人生を捧げたし、裕一はいつ終わるともしれない里香の人生と共に歩むことを選んだ。彼らが経験しているの、実際にある病気であり、この世のどこかで必ず起こっている現実、誰しも起こりうる可能性……。その中で何かを選択する。

「その両手は何かを掴むためにある」

そう夏目先生が言っていたが、このセリフこそがこの作品を象徴する言葉だ。両手で掴める物は一つしかない。それは夢であったり大切な人であったり……。その何かを選んだとき、別の何かを取りこぼしてしまう。それが普通の人生であり、いくつも手に入れるのは奇跡だと言える。だからこそ両手に掴んだ物を手放さぬように必死になれるのだろう。

私の両手は何かを掴むことが出来ただろうか……(いや、まだ何も……)。

それにしても里香は本当に素直だな。裕一と結ばれても言いたいことははっきり言うし、気に入らなければ罵倒するわ蹴飛ばすわ……なのに甘えるときは照れ隠しをするし。けして感情を抑えたりはしない。それを理解してるからか、裕一は里香を家に閉じ込めたりせず、学校やバイトなど好きなことをさせている。そんな裕一に支えられてるからこそ、里香も自由に生きられる。本当に2人は信頼しあってるんだな、そう強く思える。

明日か明後日か、5年後か、10年後か。命尽きるその時まで共に歩んでいこう。それが裕一と里香が選び取った、その両手に掴んだ人生なのだ。
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やっちん
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男性
誕生日:
1981/01/19
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アニメ鑑賞 ゲーム 読書
自己紹介:
難病筋ジストロフィーを病気に持ち、専門病院で療養している。というと可哀想に聞こえるが、テレビやパソコンを自由に出来るため、楽しく生活している。そのため、趣味に事欠かない。
体力的、機能的に制限があるので本当の自由とは言えないが。
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