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入院してると、時々病気の説明を求められる。その相手は看護学生だったり、面会者だったり。引きこもりの私にはそんな機会はないが、他の患者が説明するのを聞いていると無性に変わりたくなる。だって、何の予備知識もない相手に、筋肉が再生しないという間違った解釈を教えたり、萎縮という難解な言葉を使ったりするのだ。興味のない人は適当に相づちをうつしかない。私だって、萎縮の意味は知らない。

ということで、これから難解な説明をしてみる。興味のない人は次の空白まで飛ばして下さい。

私の病気は、デュシェンヌ型筋ジストロフィー。この病気はX染色体にあるジストロフィンに欠損、欠失があることでジストロフィンタンパクが生成できなくなる。ジストロフィンタンパクは筋肉細胞を壊れにくくする物質で、これがないと筋肉が非常に壊れやすくなる。筋肉は再生と破壊の均衡が保たれることで正常に機能する。だが、この病気は破壊が早く、再生が追いつかないので筋肉が萎縮。どんどん筋力低下していく。筋力低下により歩行不能、座位不能になる。胸郭の筋肉や横隔膜の筋力低下により肺機能の低下で、人工呼吸器が常時必要になる。また、心筋の低下で心臓が肥大したり、ポンプ機能が低下する。拡張型心筋症に近い状態だ。心臓機能が低下すると、その影響で腎臓機能が低下。心臓が悪くなる人の死因は、ほとんどが腎臓関連の病気だ。寿命は様々で、心臓や腎臓が悪いと十代で死ぬ。私の知る限りでは15才が最速。また、人工呼吸器がない時代では二十代で死んでいた。だが、今は三十才まで生きられる人がかなり多い。
この病気は男だけに現れる。その理由はX染色体にあるからだ。染色体は二本で一対になっている。それぞれ優性遺伝と劣性遺伝を持ち、優性遺伝が表に出てくる。だが、男の場合はX染色体は一つしか無く、悪い情報がそのまま発現する。また、女性の場合は異常が一つでは病気にならず、二つだと生を受けられない。これが男だけになる理由だ。
遺伝子に関しては血液型に置き換えると分かりやすい。AとBは優性遺伝で、Oは劣性遺伝。AとOだとA型になり、BとOだとB型になる。AとBだと両方自己主張してAB型になり、OとOだとO型になる。遺伝子には全てにこういう関連性があるのだ。


とまあ、長々と書いたが、これで分かるのは頭のいい人と知ってる人だけだ。興味のない人に説明するときは思い切り要約しよう。こんな感じに。

この病気は、普通の人より筋肉がとても壊れやすくて、治るのが間に合わない。だから、どんどん筋肉が落ちて自分では何も出来なくなる。

これから簡潔で分かりやすいはずだ。私はこの説明を同業者にお奨めしたい。とはいえ、病気の説明って難しいよな。
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男性
誕生日:
1981/01/19
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アニメ鑑賞 ゲーム 読書
自己紹介:
難病筋ジストロフィーを病気に持ち、専門病院で療養している。というと可哀想に聞こえるが、テレビやパソコンを自由に出来るため、楽しく生活している。そのため、趣味に事欠かない。
体力的、機能的に制限があるので本当の自由とは言えないが。
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